
目次

Okular でファイルを見るには、 → を選択し、ダイアログでサポートされているファイルを選択して を押します。選択したファイルがメインビューに表示されます。
以前に Okular で開いたファイルがあれば、 → から素早く開くこともできます。
ファイルを開いたら今度は文書を読むために文書内を移動したくなるでしょう。その方法については 次のセクション を参照してください。

このセクションでは Okular で文書内を移動する方法を説明します。
メインビューをスクロールする方法はたくさんあります。その一つに 上矢印 と 下矢印 キーがあります。他にもスクロールバーやマウスホイール、Page Up と Page Down キーが使えます。
また、閲覧ツールが有効になっているときは、文書のどこかをマウスの左ボタンでクリックし、ボタンを押したまま見たい個所と逆の方向にドラッグして移動することもできます。閲覧ツールは → で有効にします。
左側のナビゲーションパネルを利用して文書内を移動する方法も 2 つあります。
ページのサムネイルをクリックするとそのページに移動します。
文書に目次がある場合は、目次の項目をクリックするとその項目のページに移動します。
ページにリンクが含まれている文書では、リンクをクリックするとリンク先のページに移動します。リンク先がウェブページや外部文書であれば、それぞれのフォーマットに関連付けられているデフォルトの KDE アプリケーションが起動します。
さらに、以下の機能を使って文書内の特定の場所に素早く移動することができます。
Ctrl+Home または → で文書の最初のページに移動します。
Ctrl+End または → で文書の最後のページに移動します。
Space と Page Down キー、ツールバーの ボタン、メニューの → で次のページに移動します。
Backspace と Page Up キー、ツールバーの ボタン、メニューの → で前のページに移動します。

Okular で文書を見るもう一つの方法にプレゼンテーションモードがあります。プレゼンテーションモードは → で有効にします。このモードでは文書は 1 ページずつ表示されます。また、ページ全体が見えるように「ページに合わせる」表示モードが使われます。
注記
PDF 文書は文書が常にプレゼンテーションモードで開くように指定することさえできます。
プレゼンテーションモードではスクリーンの上部に操作バーが配置されます。マウスカーソルをそこへ移動すると表示されます。
ページを変更するには、マウスの左ボタン (次のページ) と右ボタン (前のページ)、マウスホイール、操作バーの矢印アイコンとページ番号を入力できる編集ボックス、および ナビゲーション のセクションに記載されているキーが使えます。
プレゼンテーションモードは ESC キーを押すか操作バーの 終了 アイコンをクリックすることでいつでも終了できます。
ペンシルを使って表示されているページに描画することもできます。操作バーの 描画モードの切り替え アイコンをクリックして描画モードを有効にしたり無効にしたりします。描画したものは他のページに移ると自動的に消えますが、操作バーの 描画を消す アイコンをクリックして手動で消すこともできます。
マルチモニタ構成では、複数のスクリーンを使ってプレゼンテーションを行うことができます。複数のスクリーンが検出されると、操作バーにスクリーンのアイコンが現れます。このボタンのドロップダウンリストからスクリーンを選択することで、プレゼンテーションを別のスクリーンに移すことができます。
プレゼンテーションモードにはいくつかの設定オプションがあります。詳しくは Okular の設定 の章を参照してください。

文書にファイルが埋め込まれていれば、文書を開いたときにそれを知らせるためにメインビューの上部に黄色いバーが現れます。

そのような場合は、バーのテキスト中のリンクをクリックするか、 → を選択して埋め込みファイルのダイアログを開くことができます。このダイアログを使って埋め込みファイルを見たり取り出したりします。

Okular では文書に注釈を加えることができます。
注記
DRM (デジタル著作権管理) の制限により (主に PDF 文書で) 一部のプロパティの追加と編集および注釈の削除ができない場合があります。
文書に注釈を加えるには、 → を選択するか F6 を押して注釈バーを有効にする必要があります。注釈バーが表示されたら、その上のボタンを押して注釈の作成を開始します。
注記
注釈バーはメインビューのどの辺にでも配置できます。ドラッグして好みの場所に移動してください。
注記
注釈バーを有効にすると通常のモードに切り替わります。
注釈の作成を中止するには、もう一度同じボタンを押します。
新しく追加した注釈の作者は、Okular の 設定 ダイアログの 個人情報 のページで設定されている名前になります。
注釈を削除するには、注釈をマウスの右ボタンでクリックして を選択します。
注釈を削除すると、そのウィンドウが開いていれば閉じられます。
注記
このオプションは文書が注釈の削除を許可していないために使えない場合があります。

- → (Ctrl+O)
サポートされているファイルを開きます。既に開いているファイルは新しいファイルを開くと閉じられます。詳しくは ファイルを開く のセクションを参照してください。
- →
以前に開いたファイルをサブメニューから選択して開きます。既に開いているファイルは新しいファイルを開くと閉じられます。詳しくは ファイルを開く のセクションを参照してください。
- →
PostScript ファイルを開いて PDF に変換します。
- →
文書のバックエンドを用いて、現在開いているファイルを別名で保存します。PDF バックエンドの場合は、フォームのフィールドの値を変えて保存することも可能です (Poppler >= 0.8 が必要)。
- →
現在の文書のバックエンドを用いずに、開いているファイルのコピーを別名で保存します。
- → (F5)
現在開いているファイルを再読み込みします。
- → (Ctrl+P)
表示されている文書を印刷します。
- →
表示されている文書がデフォルトのオプションでどのように印刷されるかをプレビューできます。
- →
文書に関する基本的な情報 (タイトル、作者、作成日) と使用されているフォントの詳細を表示します。表示される情報は文書のタイプによって異なります。
- →
文書に埋め込まれているファイルがあれば表示します。詳しくは 埋め込みファイル のセクションを参照してください。
- →
現在の文書をエクスポートできるフォーマットがサブメニューに表示されます。最初のエントリは文書の種類にかかわらず常に です。
- → (Ctrl+Q)
Okular を終了します。

- → (Ctrl+Shift+P)
プレゼンテーションモードに切り替えます。詳しくは プレゼンテーションモード のセクションを参照してください。
- → (Ctrl++)
メインビューのズーム率を上げます。
- → (Ctrl+-)
メインビューのズーム率を下げます。
- →
ページの幅がメインビューの幅と同じになるようにメインビューのズーム率を調整します。
- →
少なくとも 1 ページ全体が見えるようにメインビューのズーム率を調整します。
- →
連続表示モードを有効にします。このモードでは文書の全ページがメインビューに表示されるので、 → や → を使わずに文書内をスクロールできます。
- →
サブメニューからページの表示モードを選択します。 (横 1 列に 1 ページのみ)、 (本を開いたときのように横 1 列に 2 ページ)、 (横 1 列に表示するページ数は Okular の設定 で指定) の 3 つのモードがあります。
- →
サブメニューから回転方向を選択して文書の向きを変更します。
注記
向きの変更はすべてのページに適用されます。
文書を元の向きに戻すには、サブメニューから を選択します。それまでに手動で行った向きの変更はすべて破棄されます。
- →
文書のページサイズを変更します。
注記
このサブメニューは文書が複数の異なるページサイズをサポートしている場合にのみ有効になります。
- →
ページを表示するときに周りの余白を除去します。
- →
文書に含まれるフォームの表示/非表示を切り替えます。
注記
このメニュー項目は、文書にフォームが含まれている場合にのみ有効になります。


- → (Ctrl+1)
マウスは通常どおりに動きます。左ボタンで文書をドラッグしたりリンクをクリックし、右ボタンでブックマークを追加したりページをビューの幅に合わせたりします。
- → (Ctrl+2)
マウスはズームツールになります。左ボタンを押しながらドラッグして領域を選択すると、その領域がビューの幅または高さいっぱいに表示されます。右ボタンをクリックすると前のズーム率に戻ります。
- → (Ctrl+3)
マウスは選択ツールになります。左ボタンを押しながらドラッグして領域を選択すると、選択した領域のテキストや画像をクリップボードにコピーしたり、テキストを読み上げたり、画像をファイルに保存したりできます。
- → (Ctrl+4)
マウスはテキスト選択ツールになります。左ボタンを押しながらドラッグして文書のテキストを選択します。次に右ボタンを押して選択したテキストをクリップボードにコピーしたり読み上げたりできます。
- → (F6)
注釈バーを開きます。注釈バーを使って現在の文書に注釈を加えます。詳しくは 注釈 のセクションを参照してください。
- → , → , →
これらのメニュー項目は、KDE のテキスト読み上げシステム KTTS を用いて文書全体あるいは現在のページを読み上げるときに使います。

- → (Ctrl+M)
メニューバーの表示/非表示を切り替えます。非表示にしたメニューバーは右クリックメニューから再び表示させることができます。
- →
ツールバーの表示/非表示を切り替えます。
- → (F7)
ナビゲーションパネルの表示/非表示を切り替えます。
- → (Ctrl+Shift+F)
フルスクリーンモードに切り替えます。このモードは プレゼンテーションモード とは別のものです。ウィンドウの装飾とメニューバーおよびツールバーが表示されないことを除けば、フルスクリーンモードは通常のモードと同じです。
- →
キーボードショートカットを設定するためのウィンドウを開きます。
- →
ツールバーに表示するボタンを選択するためのウィンドウを開きます。
- →
バックエンドの設定 ウィンドウを開きます。
- →
設定 ウィンドウを開きます。

- → (F1)
KDE のヘルプシステムを起動して Okular のヘルプページ (このドキュメント) を開きます。
- → (Shift+F1)
これを選択するとマウスカーソルの形が矢印とクエスチョンマークに変わります。その状態で Okular のユーザインターフェースの要素をクリックすると、それぞれの機能を説明するヘルプウィンドウが表示されます (その要素にヘルプがある場合のみ)。
- →
バグレポート用のダイアログを開きます。これを使ってプログラムの不具合を報告したり、要望を送ったりすることができます。
- →
プログラムのバージョンと作者を表示します。
- →
KDE のバージョンと基本的な情報を表示します。

Okular を設定するには、 → を選択します。設定ダイアログは 5 つのセクションに分かれています。この章ではそれぞれのオプションについて詳しく説明します。

インストールされているバックエンドに応じて → が有効になります。この特別な設定ダイアログには、実際に設定可能なバックエンドのオプションのみが含まれます。

- スクロールバーを表示する
メインビューにスクロールバーを表示するかどうかを指定します。
- サムネイルをページとリンクする
このオプションを指定すると、メインビューに表示されているページが常にサムネイルリストに表示されます。
- ヒントと情報メッセージを表示する
起動時やファイルを読み込んだときなどに情報メッセージを表示するかどうかを指定します。
- DRM (デジタル著作権管理) の制限に従う
Okular が DRM (デジタル著作権管理) の制限に従うべきかどうかを指定します。DRM の制限は PDF 文書で一部の操作 (内容をクリップボードにコピーするなど) を不可能にするために用いられます。Okular の設定によっては、このオプションがない場合があります。
- ファイルが変更されたら文書を再読み込みする
既に開いているファイルが変更されていないか自動的にチェックし、必要であればファイルを更新します。
- バックエンド選択ダイアログを表示する
文書を扱えるバックエンドが複数ある場合、文書を開く際にどのバックエンドを使うかをユーザに尋ねます。このオプションのチェックを外すと、Okular は最も優先度の高いバックエンドを使います。
- 最初のページは中央に配置する
「見開きページ」と「概観」表示モードで最初のページを中央に配置するか左寄せに配置するかを指定します。
- 概観モードの列数
概観モードで横 1 列に表示するページ数を指定します。

- 透過効果を有効にする
透過効果を使って選択範囲や他の特殊なグラフィックスを描画します。アウトラインまたは不透明なスタイルを使って描画して選択の動作を速くするには、このオプションを無効にしてください。
- バックグラウンドでページを生成する
バックグラウンドスレッドを使ってページを生成します。このオプションを無効にするとページの生成とユーザインターフェースが同じスレッドで処理されます。そのためユーザインターフェースの反応が遅くなりますが、ページは少し速く表示されます。
- メモリ使用のプロファイル
お使いのシステムと好みに合わせてメモリの使用を調節することで Okular のパフォーマンスを最適化することができます。メモリを多く使わせるほどプログラムは速く動作します。標準設定のプロファイルはあらゆるシステムに適していますが、メモリの使用をおさえた「低」プロファイルを選択して Okular に必要以上のメモリを使わせないようにすることも、逆に「高」プロファイルを選択してシステムの能力を最大限に活用させることもできます。

- 一定時間ごとに進む
指定された時間ごとに自動的に次のページに進みます。
- 最後まで行ったら最初のページに戻る
プレゼンテーションモードで文書内を移動しているときに、最後のページの次に最初のページが表示されます。
- 背景色
プレゼンテーションモードでページによってカバーされていないスクリーンの領域を埋める色です。
- ペンシルの色
プレゼンテーションモードでページに描画するときに使うペンシルの色です。
- マウスカーソル
マウスカーソルを常に表示するか、操作がなければ一定時間後に隠すか、あるいは常に非表示にするかを指定します。
- 進捗インジケータを表示する
このオプションを指定すると、プレゼンテーションモードでページを変更するたびにスクリーンの右上に現在のページとページ総数を示す円形のインジケータが表示されます。
- まとめページを表示する
プレゼンテーションの最初に文書のタイトル、作者、ページ数が記載されたまとめページを表示するかどうかを指定します。
- ページの入れ替え
文書自体に指定がない場合に使うページの入れ替え時の効果を選択します。Okular に利用可能な効果をランダムに使わせるには、ランダム を選択してください。
- 配置
ここでプレゼンテーションを表示する スクリーン を選択できます。
現在のスクリーン は、プレゼンテーションモードを開始した Okular があるスクリーンです。
デフォルトのスクリーン は、Xinerama の設定でデフォルトとして指定されているスクリーンです。
スクリーン 0、スクリーン 1 などは、利用可能なスクリーンです。

プログラム Copyright:
Albert Astals Cid
(aacid AT kde.org)
Pino Toscano
(pino AT kde.org)
現在のメンテナEnrico Ros
(eros.kde AT email.it)
KPDF の開発者
ドキュメンテーション Copyright:
Albert Astals Cid
(aacid AT kde.org)
著者Titus Laska
(titus.laska AT gmx.de)
更新と追加Pino Toscano
(pino AT kde.org)
日本語翻訳: Yukiko Bando
このドキュメンテーションのライセンスは GNU Free Documentation License です。
このプログラムのライセンスは GNU General Public License です。

Okular は KDE プロジェクト http://www.kde.org/ の一部です。
Okular は KDE プロジェクトのメイン FTP サイトである ftp://ftp.kde.org/pub/kde/ にある kdegraphics パッケージに含まれています。

注記
このハンドブックを KHelpCenter でお読みになっているのであれば Okular は既にあなたのシステムにインストールされています。したがって、インストールする必要はありません。
KDE アプリケーションのコンパイルおよびインストール方法については、Building and Running KDE Software From Source を参照してください。
KDE は cmake を使っているので容易にコンパイルできるはずですが、問題にぶつかった場合は、KDE のメーリングリストに報告してください。